今や海外旅行に欠かせない、スマートフォンのためのモバイルバッテリー。
しかし、この便利なデバイスが、飛行機の中では「危険物」として扱われ、非常に厳しいルールが課せられていることをご存知ですか?
「自分のバッテリーは機内に持ち込める?」
「スーツケースに入れても大丈夫?」
「飛行機の中でスマホを充電してもいいの?」
ルールを知らずに保安検査場で没収されたり、最悪の場合、火災事故の原因になってしまったり…。そんな事態だけは、絶対に避けたいですよね。
この記事では、そんなあなたのあらゆる不安や疑問を解消すべく、2025年11月現在の最新情報に基づき、飛行機へのモバイルバッテリー持ち込みに関する全ルールを、どこよりも分かりやすく、そして深く解説します。
この記事さえ読めば、もう空港で迷うことはありません。安全で快適な空の旅を、ここから始めましょう!
この記事でわかること
- 🔋
なぜ「預け荷物」が絶対NGなのか?その科学的な理由
ルールの背景にある「熱暴走」の危険性を解説します。 - 🔋
【超重要】あなたのバッテリーは大丈夫?容量(Wh)の計算方法
mAhからWhへ、誰でもできる簡単な計算式を伝授。 - 🔋
【11月最新】ANA・JALと海外航空会社のルール比較
機内での充電はOK?禁止?最新の動向が分かります。 - 🔋
【要注意】中国渡航で没収されないための絶対条件
他の国にはない、厳しい特別ルールを徹底解説。
- 【大原則】モバイルバッテリーは「預け荷物」が絶対NG!
- 【容量制限】100Wh・160Whとは?mAhからの計算方法
- 【航空会社別】国際線・国内線の最新ルール比較(2025年12月版)
- 【機内での扱い方】保管場所と安全対策
- 【緊急】中国渡航で必ず知るべき最新ルール【2025年6月28日改正】
- 【2025年4月改正】香港渡航で没収されないために
【大原則】モバイルバッテリーは「預け荷物」が絶対NG!
まず、これだけは絶対に覚えてください。モバイルバッテリーは、スーツケースなどに入れてカウンターで預ける「預け荷物(受託手荷物)」に、絶対に入れてはいけません。
その理由は、モバイルバッテリーに使われている「リチウムイオン電池」が、強い衝撃や圧力が加わると「熱暴走」という現象を引き起こし、発火・爆発する危険性があるためです。
乗務員の目が届かない貨物室で火災が発生した場合、大事故に繋がりかねません。そのため、万が一の際にすぐに対応できるよう、必ず乗客自身の目が届く「機内持ち込み手荷物」として携帯することが、世界共通の絶対的なルールとなっているのです。
【容量制限】100Wh・160Whとは?mAhからの計算方法
機内に持ち込める容量は「Wh(ワット時定格量)」で決まります。お持ちのバッテリーのWhを知ることから始めましょう。
mAhからWhへの計算式
Wh = 電圧(V) × 容量(mAh) ÷ 1000
一般的なモバイルバッテリーの電圧は「3.7V」なので、例えば「20,000mAh」のバッテリーなら…
3.7V × 20,000mAh ÷ 1000 = 74Wh となります。
容量別持ち込みルール
| Wh容量 | mAh換算(3.7V) | 持ち込みルール |
|---|---|---|
| 100Wh以下 | ~約27,000mAh | ✅ 機内持ち込みOK(個数制限なし※) |
| 100Wh超~160Wh以下 | ~約43,000mAh | ⚠️ 機内持ち込みOK(1人2個まで) |
| 160Wh超 | 約43,000mAh~ | ❌ 持ち込み・預け入れ共に不可 |
※一部の航空会社(特に韓国系)では100Wh以下でも個数制限(5個までなど)を設けている場合があります。
【航空会社別】国際線・国内線の最新ルール比較(2025年12月版)
2025年は、特にアジア系の航空会社でルールが大幅に厳格化されました。搭乗する航空会社の最新ルールを必ず確認してください。
| 航空会社 | 機内での使用・充電 | 荷物棚保管 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 日系航空会社 | |||
| ANA / JAL / Peach 等 | ✅ 可能 | ⚠️ 非推奨 | 手元での保管を推奨 |
| 韓国系航空会社 | |||
| 大韓航空 / アシアナ航空 / ティーウェイ航空 | ❌ 全面禁止 | ❌ 禁止 | 透明ジップロックでの保管が義務化 |
| チェジュ航空 | ❌ 全面禁止 | ❌ 禁止 | 座席前ポケットでの保管を推奨 |
| エアプサン | ❌ 全面禁止 | ❌ 禁止 | 2025年2月の火災事故後、いち早く規制強化 |
| 台湾系航空会社 | |||
| チャイナエアライン / エバー航空 | ❌ 飛行中禁止 | ⚠️ 非推奨 | 座席のUSBポートからの充電は可 |
| 香港系航空会社 | |||
| キャセイパシフィック / 香港航空 / 香港エクスプレス | ❌ 全面禁止 | ❌ 禁止 | 香港の法律に基づき罰金の可能性あり |
| その他アジア・中東系航空会社 | |||
| タイ国際航空 | ❌ 全面禁止 | ⚠️ 非推奨 | 座席のUSBポートからの充電は可 |
| シンガポール航空 / エミレーツ航空 | ❌ 全面禁止 | ❌ 禁止 | 2025年4月1日から使用・充電ともに禁止に |
| 米国系航空会社 | |||
| デルタ航空 / ユナイテッド航空 | ✅ 可能 | 客室乗務員の指示に従うこと | |
2025年の重大トレンド:東アジア全域で規制強化
2025年1月の韓国エアプサン機での火災事故をきっかけに、アジア全域で規制が厳格化。「機内での充電禁止」「荷物棚への保管禁止」「透明ジップロック必須」が新しい標準になっています。
【機内での扱い方】保管場所と安全対策
推奨される保管場所
多くの航空会社が、モバイルバッテリーを座席上の収納棚(オーバーヘッドビン)に入れることを禁止または非推奨としています。これは、他の荷物による圧迫での破損や、発火時の発見が遅れるリスクを避けるためです。
- ✅ 手元のバッグ内
- ✅ 前の座席の下
- ✅ 座席ポケット
【緊急】中国渡航で必ず知るべき最新ルール【2025年6月28日改正】
中国の空港では、国際ルールに加えてさらに厳格な独自規制があります。特に2025年6月28日から新しい規制が始まっています。
中国国内線の新規制:「3C認証」が必須に
⚠️ 2025年6月28日から、以下のバッテリーは機内持ち込み禁止
- 3C認証マークがないもの
- 3C認証マークが不鮮明なもの
- リコール対象製品や該当ロット番号のもの
3C認証(CCC: China Compulsory Certification)とは?
定義:中国国内で安全と認められた製品につくマーク
対象製品:モバイルバッテリー、充電式家電など
マークの形状:QRコード + 「CCC」の文字(2025年現在、新デザインに移行中)
確認方法:バッテリー本体に印字されています。不鮮明または印字がないものはNG
中国渡航時の没収を避けるための絶対条件
| チェック項目 | OK例 | NG例 |
|---|---|---|
| 3C認証マーク | ✅ あり(且つ鮮明) | ❌ なしまたは不鮮明 |
| 容量表記 | ✅ 明確に読める(「10000mAh / 37Wh」など) | ❌ 表記がないまたは消えている |
| 電圧表記 | ✅ あり(「3.7V」など) | ❌ なし |
| 製造元表示 | ✅ 正規ブランド(Anker、Momax等) | ❌ 不明または怪しい |
⚠️ 重要:日本のPSEマークは無効
日本で「PSEマーク」がついていても、中国の3C認証がなければ没収対象になります。特に日本で購入したバッテリーの多くは3C認証を持っていないため、中国国内線での使用には向きません。
中国での持ち込みルール(容量別)
| 容量 | 中国国内線 | 中国発の国際線 |
|---|---|---|
| 100Wh以下(3C認証付き) | ✅ OK(2個まで) | ⚠️ 要確認 |
| 100~160Wh(3C認証付き) | ⚠️ 要申請(1個まで) | ⚠️ 要申請 |
| 160Wh超 | ❌ 禁止 | ❌ 禁止 |
| 3C認証なし | ❌ 没収(2025年6月28日から) | ❌ 没収リスク |
【2025年4月改正】香港渡航で没収されないために
香港の航空会社(2025年4月7日改正)
- 機内での充電・使用:❌ 完全禁止
- 座席電源からの充電:❌ 禁止
- 荷物棚保管:❌ 禁止
- 保管場所:座席ポケットのみ(義務付け)
- 違反時:最大罰金10,000香港ドル(約18万円)
【Q&A】よくある質問と回答
Q1. 30,000mAhや40,000mAhの大容量バッテリーは持ち込めますか?
A. はい、100Whを超え160Wh以下の「注意ゾーン」に該当するため、1人2個までの制限付きで持ち込み可能です。ただし搭乗前に必ず航空会社に確認してください。
Q2. 韓国・台湾・香港行きで特に注意すべきことは?
A. 2025年から超厳格な新規制が導入されました。
韓国行き:機内での充電・荷物棚保管が完全禁止。さらに透明ジップロックでの保管が推奨され、100Wh以下でも個数制限があります。
台湾行き:飛行中の使用・充電は禁止ですが、座席のUSBポートからの充電は許可されています。
香港行き:機内での充電・荷物棚保管が完全禁止。違反すると法律で罰金(最大10,000香港ドル)が科される可能性があります。
Q3. モバイルバッテリーが膨らんでいる場合は?
A. 絶対に持ち込まないでください。内部でガスが発生している危険なサインです。即座に使用を中止し、自治体のルールに従って適切に廃棄してください。飛行機に持ち込むと没収されるだけでなく、危険です。
Q4. 帰国時、中国でバッテリーを没収された場合はどうする?
A. 北京など大都市の空港では、没収されたバッテリーの無料一時保管サービスを開始した空港もあります。ただし基本的には、没収を避けることが重要です。中国に持ち込む際は、必ず3C認証マーク付きのバッテリーを選択してください。
Q5. 複数のバッテリーを持ち込む場合、どうやって記録する?
A. 航空会社によっては、100Wh超のバッテリーに対して「搭乗申告書」の提出を求める場合があります。事前に航空会社ウェブサイトで確認し、必要な申告書類があれば用意しておくと安心です。
【最終チェックリスト】出発前にこれだけは確認しよう!
安全な空の旅のために、家を出る前に以下の6項目を最終チェックしましょう。
- □ バッテリーは「機内持ち込み手荷物」に入っていますか?(預け荷物は絶対NG!)
- □ バッテリーのWh(ワット時定格量)は160Wh以下ですか?
- □ 100Whを超える場合、個数は2個以内ですか?
- □ 本体に容量(mAhとV、またはWh)はハッキリ読める形で書いてありますか?(特に中国渡航時)
- □ 本体に破損や膨張はありませんか?
- □ ショート防止のため、他の金属類と接触しないよう専用ケースや袋に入れましたか?
これらのルールは、あなた自身と、同乗するすべての人の安全を守るための大切な約束事です。
正しい知識を身につけ、安心して快適なフライトを楽しんでくださいね!
まとめ:安全で快適なフライトのために
✈️ 2025年の飛行機ルール最新版を完全マスター!
- 日本国内線:7月改正で、収納棚保管と目視管理義務化
- 韓国線:機内充電完全禁止、透明ジップロック必須
- 香港線:機内充電禁止、違反で罰金最大約18万円
- 中国線:3C認証マークが必須(日本製の多くはNG)
- 台湾線:飛行中は使用禁止だが座席電源はOK
これらを守れば、空港での没収トラブルも、機内での事故リスクもありません。
安全で快適なフライトを楽しんでください!
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