こんにちは!
今や海外旅行の必需品となった、スマートフォンやカメラを充電するためのモバイルバッテリー。
しかし、この便利なデバイスが、飛行機の中では「危険物」として扱われ、非常に厳しいルールが定められていることをご存知ですか?
「自分の持っているバッテリーは機内に持ち込める?」
「預け荷物に入れてもいいの?」
「飛行機の中で充電しても大丈夫?」
ルールを知らずに空港で没収されたり、最悪の場合、火災事故の原因になってしまったり…。そんな事態は絶対に避けたいですよね。
この記事では、そんなあなたの不安を解消すべく、飛行機へのモバイルバッテリー持ち込みに関する全てのルールを、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。
この記事さえ読めば、もう空港で迷うことはありません。安全で快適な空の旅を始めましょう!
この記事でわかること
- なぜモバイルバッテリーは預け荷物NGなのか?その危険性とは
- 【超重要】あなたのバッテリーは大丈夫?容量(Wh)の計算方法と個数制限
- ANA・JALと海外航空会社の最新ルールの違い(機内での充電はOK?)
- 意外な落とし穴!スマートスーツケースや電子タバコのルール
- 出発前に必ず確認!究極の安全チェックリスト
【大原則】なぜモバイルバッテリーは「預け荷物」が絶対NGなのか?
まず、これだけは絶対に覚えてください。
モバイルバッテリーは、スーツケースなどに入れてカウンターで預ける「預け荷物(受託手荷物)」に絶対に入れてはいけません。
その理由は、モバイルバッテリーに使われている「リチウムイオン電池」が、強い衝撃や圧力が加わると「熱暴走」という現象を引き起こし、発火・爆発する危険性があるためです。
もし、目の届かない貨物室で火災が発生した場合、発見や消火が非常に困難となり、大事故に繋がる恐れがあります。
そのため、万が一の際にすぐに対応できるよう、必ず乗客自身の目が届く「機内持ち込み手荷物」として携帯することが、世界共通のルールとなっているのです。
【容量・個数編】あなたのバッテリーは持ち込み可能?Wh計算が鍵!
機内に持ち込めるといっても、容量や個数には制限があります。
多くのバッテリーには「mAh」という単位で容量が書かれていますが、航空会社のルールは「Wh(ワット時定格量)」で定められているので注意が必要です。
自分のバッテリーの「Wh」を計算する方法
お持ちのバッテリーにWh表記がない場合は、以下の計算式で簡単に算出できます。
Wh = 電圧(V) × 容量(mAh) ÷ 1000
一般的なモバイルバッテリーの電圧は3.7Vなので、「20,000mAh」のバッテリーなら「3.7V × 20000mAh ÷ 1000 = 74Wh」となります。
容量別の持ち込みルール早見表
容量(Wh) | 一般的なmAh目安 (電圧3.7Vの場合) |
持ち込みルール |
---|---|---|
100Wh以下 | ~約27,000mAh | 機内持ち込みOK、個数制限なし |
100Wh超~160Wh以下 | ~約43,000mAh | 機内持ち込みOK、1人2個まで (航空会社の承認が必要な場合あり) |
160Wh超 | 約43,000mAh~ | 持ち込み・預け入れともに不可 |
ほとんどの人が使っているスマホ用モバイルバッテリーは「100Wh以下」に収まるので、個数を気にせず持ち込めます。
【保管・充電編】機内での正しい使い方|最新ルールを航空会社別に比較
持ち込みルールをクリアしても、機内での扱い方を間違えると危険です。
特に、機内での「使用・充電」に関するルールは、航空会社によって対応が分かれているため注意が必要です。
① 保管場所のルール:収納棚はNG!手元か座席ポケットに
過去の事故事例を受け、ANAやJALをはじめ多くの航空会社では、モバイルバッテリーを座席上の収納棚(オーバーヘッドビン)に入れることを禁止、または非推奨としています。
他の荷物に圧迫されて破損するリスクや、万が一発火した際に発見が遅れるのを防ぐため、必ず手元のバッグや座席前のポケットに保管しましょう。
② 使用・充電ルールの最新動向【主要航空会社12社 比較表】
現在、海外の航空会社を中心に「機内でのモバイルバッテリーの使用・充電を全面的に禁止する」動きが広がっています。あなたが利用する航空会社はどうでしょうか?主要12社のルールを比較しました。
航空会社 | 機内での使用・充電ルール | 特記事項 |
---|---|---|
ANA / JAL / Peach | 目の届く範囲で可能 | 収納棚への保管はしないよう要請 |
エミレーツ航空 | 全面禁止 | 2025年10月1日より適用 |
シンガポール航空 | 全面禁止 | – |
デルタ航空 | 可能 | 離着陸時・乱気流時は電源OFF |
ユナイテッド航空 | 可能 | 客室乗務員の指示に従うこと |
ルフトハンザ航空 | 禁止 | – |
ブリティッシュ・エアウェイズ | 目の届く範囲で可能 | – |
大韓航空 | 禁止 | 韓国発着便の場合 |
チャイナエアライン / エバー航空 | 飛行中の電源OFF(使用禁止) | – |
このように、ルールは航空会社によって様々です。搭乗する航空会社の公式サイトで、最新のルールを一度確認しておくと最も安心です。
【要注意】中国渡航の特別ルール「容量表記」と安全認証
中国へ渡航(乗り継ぎ含む)する際には、国際的なルールに加えて、さらに厳しい独自の規制があるため、最大限の注意が必要です。
中国の空港では、保安検査の際にモバイルバッテリーを一つ一つ目視で厳しくチェックされます。その際、以下の条件を満たしていないバッテリーは、その場で容赦なく没収される可能性があります。
- 容量表記が明確であること
バッテリー本体に「10000mAh」「37Wh」のように、容量(mAhとV、またはWh)がハッキリと読み取れる形で印字されている必要があります。長年の使用で印字が消えてしまっているものや、そもそも表記自体がない製品は、容量に関わらず没収対象となります。 - 各種安全認証マークの表示
必須ではありませんが、日本の「PSEマーク」や欧州の「CEマーク」など、公的な安全基準を満たしていることを示すマークが表示されている製品は、信頼性が高いと判断されやすくなります。
【旅行者への最終アドバイス】
中国へ渡航する際は、「容量表記が誰でもハッキリ読めること」を絶対条件として、モバイルバッテリーを選んでください。
ブランド名に関わらず、この表記がないもの、消えかかっているものは持っていかないのが最も賢明です。ノベルティでもらったようなロゴだけのバッテリーは、ほぼ確実に没収されると考えましょう。
最終的には、保安検査官の判断に委ねられるため、万が一没収されても諦めがつくものを持っていく、という心構えも大切かもしれません。
【番外編】スマートスーツケースや電子タバコのルール
その他の注意が必要なデバイス
- スマートスーツケース:バッテリーが取り外し可能なモデルであれば、バッテリーを外して機内に持ち込むことで、スーツケース本体は預けられます。取り外しできないモデルは輸送不可です。
- 電子タバコ:モバイルバッテリーと同様、機内持ち込みのみ可能です。機内での使用はもちろん、充電も禁止されています。
【最終チェックリスト】出発前にこれだけは確認しよう!
安全な空の旅のために、出発前に以下の6項目を最終チェックしましょう。
- □ バッテリーのWh(ワット時定格量)は160Wh以下ですか?
- □ バッテリーをショートさせないよう、専用ケースや袋に入れましたか?
- □ バッテリーは「機内持ち込み手荷物」に入っていますか?(預け荷物NG!)
- □ 機内では手元か座席ポケットに保管する準備はOK?
- □ バッテリー本体に破損や膨張はありませんか?
- □ 搭乗する航空会社の最新ルールを念のため確認しましたか?
これらのルールは、あなた自身と、同乗するすべての人の命を守るための大切な約束事です。
正しい知識を身につけ、安全で快適なフライトを楽しんでくださいね!