「大浦天主堂の拝観料っていくら?」
「中で写真は撮れる?」
「所要時間はどれくらい?」
「駐車場はある?」
「原爆で焼けたのはここ?浦上天主堂?」
「ミサには参加できる?」
長崎の大浦天主堂は、1865年の「信徒発見」の舞台になった教会です。1953年に文化財保護法で国宝に指定され、2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。
ただし訪れる前に知っておくべきことが3つあります。堂内は撮影禁止、駐車場がない、そしてミサは行われていない。どれも公式サイトに明記されています。
この記事では、拝観料1,000円の内訳、拝観時間、所要時間、撮影のルール、長い階段とバリアフリー、堂内の見どころ、浦上天主堂との違い、アクセスまで、国宝 大浦天主堂と長崎市の公表情報をもとに整理します。
✅ この記事でわかること
- 📷堂内は撮影禁止・外観は撮影可
拝観料を払う前の敷地内での撮影も控えるよう公式が求めている - 🎫拝観料1,000円はキリシタン博物館込み
中高生400円・小学生300円。障がい者は300円で介助者1名も同額 - ⏱️所要時間は45分〜1時間
天主堂だけなら15〜20分。時間がかかるのは博物館のほう - 🅿️駐車場はありません
公式に明記。路面電車か周辺のコインパーキングを使う - 🪜入口までは長い階段
階段以外の入場方法はなく、車いすは介助が必要 - 🕊️原爆で全壊したのは浦上天主堂
ただし大浦天主堂もステンドグラスが大破している
行く前に、これだけは知っておいてください:
大浦天主堂は堂内の撮影が禁止です。外観は撮れますが、拝観料を払う前の敷地内での撮影も控えるよう公式が求めています。また駐車場がありません。車で行くなら周辺のコインパーキングか、隣接するグラバー園とまとめて1回停める前提で計画してください。拝観料1,000円にはキリシタン博物館の入場料が含まれているので、天主堂だけ見て帰るともったいないです。
堂内は撮影禁止:公式が求めている全ルール
「大浦天主堂 写真」で調べる人が多いので、公式サイトに書かれている内容をそのまま整理します。
| 場所 | 撮影 |
|---|---|
| 天主堂の内部 | 禁止 |
| 天主堂の外観 | 可能 |
| 拝観料を払う前の敷地内 | 遠慮するよう求められています |
| キリシタン博物館の館内 | 禁止 |
3つ目が見落とされがちです。「券を買わずに階段の下から撮る」のも、公式は控えるよう求めています。SNSでよく見る正面からの写真は、拝観料を払って中に入った人が撮ったものです。
その他のお願い
公式サイトには、撮影以外にも守るべきことが並んでいます。ここは観光施設である前に、カトリック信者が先祖代々守り伝えてきた祈りの場だからです。
- 敷地内での飲食・飲酒・喫煙は禁止。酒気を帯びての来訪も遠慮するよう明記されています
- 携帯電話の使用は控える。静かに拝観する
- 立入禁止エリア(柵内、祭壇域、2階の楽廊など)には入らない
- 堂内の物に触れない、動かさない
- ペットの同伴は敷地内も含めて不可(介助犬を除く)
拝観料1,000円は「博物館込み」の値段です
| 区分 | 一般 | 団体(20名以上) | 障がい者 | 障がい者・団体 |
|---|---|---|---|---|
| 大人 | 1,000円 | 900円 | 300円 | 250円 |
| 中・高生 | 400円 | 300円 | 200円 | 150円 |
| 小学生 | 300円 | 200円 | 150円 | 100円 |
障がい者料金は、介助者1名まで同じ料金が適用されます。大人だと1,000円が300円になるので、差が大きいところです。
2025年9月には券売機が導入されたことが公式に告知されています。支払い方法は変わることがあるので、気になる場合は券売所(095-823-2628)に確認してください。
所要時間は45分〜1時間
| 見る範囲 | 所要時間 |
|---|---|
| 天主堂の内部だけ | 15〜20分 |
| 天主堂+キリシタン博物館 | 45分〜1時間 |
| じっくり読み込む | 1時間30分 |
| +グラバー園 | +1時間〜1時間30分 |
天主堂そのものは、じつはそれほど大きくありません。時間がかかるのはキリシタン博物館の方で、旧羅典神学校が1階と地下、旧長崎大司教館が1階から3階まで展示スペースになっています。同じ1,000円なので、20分で帰るのはもったいないという話です。
駐車場がありません
公式サイトの記載は「駐車場はございません。拝観の際はご注意ください。」の一文だけです。団体バス用の駐車場もありません。
現実的な選択肢はこうなります。
- 路面電車(長崎電気軌道)で「大浦天主堂」電停まで行き、坂を上る ― いちばん確実
- 周辺のコインパーキングに停める ― 南山手・松が枝町のあたり。観光シーズンは埋まります
- グラバー園の周辺駐車場を使い、まとめて回る
大浦天主堂とグラバー園は隣接しているので、車で来るなら「2か所まとめて回る前提で1回停める」のが正解です。長崎市中心部は道が狭く一方通行も多いので、路面電車の方が気楽ではあります。
入口まで長い階段があります
公式のバリアフリー情報は、かなり率直に書かれています。
天主堂前の広場から教会入口までは長い階段になっています。階段の両端には手すりが設置されていますが、階段以外の方法で天主堂入場方法はなく、車椅子の方は長い階段の移動介助が必要です。
(国宝 大浦天主堂 公式サイト)
さらに、そもそも電停から天主堂までの道も上り坂です。ベビーカーや車いすで行く場合は、介助者の人数を含めて計画してください。エレベーターやスロープはありません。
「原爆で焼けた天主堂」は浦上天主堂です
長崎には有名な天主堂が2つあります。この2つはよく混同されます。
| 大浦天主堂 | 浦上天主堂 | |
|---|---|---|
| 場所 | 長崎市南山手町(グラバー園の隣) | 長崎市本尾町(爆心地の近く) |
| 原爆 | 倒壊は免れた(ステンドグラスは大破) | 壊滅。のちに再建 |
| 国宝 | 国宝(1933年に旧国宝、1953年に文化財保護法で国宝) | ― |
| 司教座(カテドラル) | 1962年まで | 1962年から現在まで |
| 世界遺産 | 構成資産(2018年) | ― |
大浦天主堂も原爆の被害を受けています
「大浦は無事だった」と単純化されがちですが、正確ではありません。公式の説明にこうあります。
- 大祭壇の奥のステンドグラス(「十字架上のキリスト」)は、創建を記念してフランス・マン市のカルメル会修道院から寄贈されたものでしたが、原爆によって大破しました。現在あるのは、戦後にパリのロジェ商会へ新たに発注したものです
- 一方、創建時に正面についていた「バラ窓」は、1875年の増築の際に天主堂の奥・右側の小聖堂へ移されており、そのおかげで原爆の被害を免れました
つまり「70年前の増築が、結果としてバラ窓を救った」ということです。堂内でこの2つのステンドグラスを見比べると、同じ建物の中に「失われたもの」と「残ったもの」が並んでいることが分かります。撮影はできませんが、ここは意識して見る価値があります。
司教座は1962年に浦上へ移りました
堂内には司教座(カテドラ)が残っています。これは教区の長である司教が着座するための椅子で、これがある教会をカテドラル(司教座聖堂)と呼びます。
現在の長崎大司教区のカテドラルは浦上天主堂です。大浦天主堂に残る司教座は、かつてここが長崎の信仰の中心だったことを示す痕跡ということになります。
ミサは行われていません
ここも公式にはっきり書かれています。
大浦天主堂では、主日のミサを含め、通常のミサは行われておりません。長崎でミサへの参加をご希望される方は、恐れ入りますが他の教会へお問い合わせください。
(国宝 大浦天主堂 公式サイト)
「日曜のミサに参加してみたい」と考えて行っても、ここでは叶いません。参加を希望する場合は、カトリック長崎大司教区の小教区一覧から他の教会に問い合わせてください。
ただし、3月17日の「日本の信徒発見の聖母記念ミサ」のような特別なミサは行われることがあり、近年はライブ配信も告知されています。
堂内で何を見るか
公式サイトは拝観の順路として17のポイントを挙げています。そのなかから、意味を知っていると見え方が変わるものを挙げます。
聖母子像(信徒発見のマリア像)
この天主堂の核心です。1865年、浦上の潜伏キリシタンたちがプティジャン神父に信仰を明かしたとき、彼らが最初に尋ねたのは「サンタマリアのご像はどこ?」だったと伝えられています。神父が案内したのが、この聖母子像の前でした。
250年以上の禁教のあいだ、信仰を支えた大きな要因のひとつが聖母マリアへの崇敬でした。マリア観音像やアベマリアの祈りが密かに受け継がれていたのは、そのためです。
日本之聖母像
天主堂の外、正面にある聖母マリア像。信徒発見を記念してフランスから贈られたもので、台座に「日本之聖母 慶長三年三月十七日 信徒発見記念」と記されています。外にあるので撮影できます。
日本二十六聖人殉教図
1597年2月5日に長崎の西坂で殉教した26人を描いた油絵。1869年、フランス人のセシル・マリー=トーレルによる作品です。大浦天主堂は、この日本二十六聖人殉教者に捧げられた教会で、正式名称も「日本二十六聖殉教者天主堂」といいます。博物館には複製(縮小版)と、同じ作者による元和の殉教図も展示されています。
小バジリカの銘板
2016年4月26日、大浦天主堂は「小バジリカ(Basilica Minor)」の称号を与えられました。歴史的・芸術的・典礼的に重要な教会であることを意味する称号です。日本では数えるほどしかありません。
プティジャン司教の墓碑
信徒発見の際に信仰告白を受けた人物で、1884年に大浦で亡くなりました。天主堂の下にプティジャン司教が眠っており、墓碑の下あたりに墓石が確認されています(普段は非公開)。
中央大扉
何度も増改築されてきた天主堂のなかで、この大扉は創建当時に設置されたものと伝わっています。各パネルに浮き彫りの模様があります。
主祭壇
かつてのミサは、司祭も信徒と同じ方向(教会の奥)を向き、ラテン語で行われていました(トリエント・ミサ)。奥にある大祭壇は、この様式のためのものです。1962年に始まった第2バチカン公会議によって、いまのような対面形式・各国語のミサに変わりました。
「信徒発見」とは何だったのか
大浦天主堂の価値は、建物の古さだけではありません。ここで起きた出来事が世界的に知られているためです。順を追うと分かりやすくなります。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1587年 | 豊臣秀吉が伴天連追放令。宣教師に国外退去を命じる |
| 1596年 | サン=フェリペ号事件。禁教が厳しくなる |
| 1597年 | 長崎・西坂で26人が殉教(日本初のキリスト教殉教者) |
| 1622年 | 長崎で55名が一度に処刑される大殉教事件 |
| 1859年 | 開港。長崎に外国人居留地ができる |
| 1862年 | 26人が「日本二十六聖殉教者」として列聖 |
| 1865年 | 信徒発見。浦上の潜伏キリシタンがプティジャン神父に信仰を告げる |
| 1873年 | キリシタン禁制の高札が撤去され、実質的に信仰が認められる |
| 1875年 | 敷地内に「長崎公教神学校」が開校 |
| 1879年 | 増改築を経て現在の姿になる |
| 1953年 | 文化財保護法により国宝に指定 |
| 1962年 | 司教座聖堂が浦上天主堂へ移る |
| 2016年 | 「小バジリカ」の称号 |
| 2018年 | 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録 |
ポイントは、1865年の信徒発見が「禁教が解かれる前」の出来事だったことです。禁制の高札が撤去されるのは8年後の1873年。名乗り出た人たちは、そのあと浦上・五島・大村で再び厳しい弾圧を受けています。
約250年にわたって、仏教徒を装いながら祈りと儀式を守り続けた人たちがいた。その事実が確認された場所が、いま立っているこの建物だということです。これを知っているかどうかで、20分の見学の密度がまったく変わります。
キリシタン博物館は2つの建物でできています
拝観料に含まれている「大浦天主堂キリシタン博物館」は、天主堂に隣接する2棟の歴史的建造物を使っています。
| 旧羅典(ラテン)神学校 | 1875年完成。設計はド・ロ神父。国指定重要文化財(1972年5月15日指定)。骨組を木造にして壁に煉瓦を積む「木骨煉瓦造」という珍しい構造。1階と地下が展示スペース |
|---|---|
| 旧長崎大司教館 | 1階から3階までが展示スペース |
旧羅典神学校は、日本人司祭を育てるための神学校の校舎兼宿舎として建てられた建物です。信徒発見からわずか10年後に、もう「日本人の神父を育てる」段階に入っていたことが分かります。
なお2026年は、4月29日から9月30日まで企画展「長崎の聖母マリア」が開催されています。企画展は入れ替わるので、訪問前に公式サイトのお知らせを確認してください。
アクセス
所在地は長崎県長崎市南山手町5-3。
- 路面電車(長崎電気軌道)― 「大浦天主堂」電停で下車し、坂を上って徒歩5分ほど。長崎駅前からは石橋行きに乗り換えて向かいます
- 車 ― 駐車場はありません。周辺のコインパーキングを利用してください
- 問い合わせ ― 095-823-2628(大浦天主堂券売所)
長崎市内は路面電車が1回の乗車で市内どこでも同額なので、観光では圧倒的に使いやすい交通手段です。大浦天主堂・グラバー園・出島・平和公園はすべて路面電車でつながっています。
グラバー園とセットで回る
大浦天主堂とグラバー園は隣接していて、同じ南山手の斜面にあります。ほとんどの人が2か所をセットで回ります。
順番としては、
- 朝いちばんに大浦天主堂(8:30開門) → グラバー園 ― 静かな時間に天主堂を見られます
- グラバー園 → 大浦天主堂 ― 坂を上ってから下りてくる形
大浦天主堂は8時30分から開いています。長崎の観光施設としてはかなり早く、団体バスが着く前の時間帯は人がまばらです。祈りの場としての空気を感じたいなら、この時間を強く勧めます。
長崎の体験・チケットをまとめて押さえる
大浦天主堂は予約なしで入れますが、長崎は同じ日に回る先を先に決めておいたほうがいい街です。軍艦島の上陸ツアーは午前・午後で出航時刻が決まっていますし、稲佐山のロープウェイや長崎ペンギン水族館のように前売りがある施設もあります。大浦天主堂の45分〜1時間を軸に、前後をはめ込む形で組むと無理がありません。
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施設によっては当日券より前売りのほうが安いことがあります。金額と条件は必ず各商品ページで確認してください。
よくある質問
公式サイトで最新情報を確認する
- 国宝 大浦天主堂 公式サイト ― 歴史・年表・お知らせ
- 拝観のご案内|大浦天主堂 ― 拝観時間・料金・拝観時のお願い・バリアフリー
- 拝観の順路|大浦天主堂 ― 堂内17のポイント
- 大浦天主堂キリシタン博物館 公式サイト
- 旧羅典神学校|長崎市(文化財課)
📚 あわせて読みたい関連記事
まとめ|大浦天主堂は「撮れない・停められない」を先に知っておく
大浦天主堂は15分で見終わる小さな教会ですが、1865年にここで起きたことを知っているかどうかで、その15分の密度がまったく変わります。
禁教が解かれる8年前に、250年以上ひそかに信仰を守ってきた人たちが名乗り出た場所です。
大浦天主堂のポイントまとめ
- 拝観料は大人1,000円・中高生400円・小学生300円。キリシタン博物館の入場料込み
- 障がい者料金は大人300円で、介助者1名まで同額
- 拝観時間は3〜10月が8:30〜18:00(最終入場17:30)、11〜2月が8:30〜17:30(最終入場17:00)
- 堂内は撮影禁止。外観のみ撮影可
- 駐車場はなし。路面電車「大浦天主堂」電停から坂を上る
- 天主堂前の広場から入口までは長い階段。階段以外の入場方法はない
- ミサは行われていない。参加したい場合は長崎大司教区の他の教会へ
- 原爆で全壊したのは浦上天主堂。大浦天主堂は倒壊を免れたがステンドグラスは大破
- 1875年の増築でバラ窓が奥の小聖堂へ移され、結果として原爆の被害を免れた
- 所要時間は天主堂だけで15〜20分、博物館まで含めて45分〜1時間
グラバー園が隣接しているので、2か所で半日という組み方が現実的です。朝8時30分の開門直後は人がまばらで、祈りの場としての空気をいちばん感じられる時間帯です。
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