「広州で乗り継ぎ。入国審査って受けないといけないの?」
「ANAで着いてから南方航空に乗り換えるけど、ターミナルが違うらしい」
「乗り継ぎ時間が2時間半しかない。間に合う?」
「無料のトランジットホテルが使えるって本当?」
「モバイルバッテリー、預け荷物に入れてもいい?」
広州白雲国際空港(CAN)は、2025年10月30日に第3ターミナル(T3)と第5滑走路が動き出し、T1・T2・T3の3ターミナル体制になりました。ここが今、日本人の乗り継ぎで一番の落とし穴になっています。
というのも、ANAグループ便はT3発着、日本航空はT2発着と、日本の2社が別々のターミナルに分かれているからです。さらに乗り継ぎ先として使うことが多い中国南方航空(CZ)のカウンターはT2側にあります。つまりANAで着いた人は、ターミナルをまたぐ移動が前提になります。
この記事では、ANA・日本航空・中国南方航空それぞれの公式案内をもとに、入国審査が必要になる条件・最低乗り継ぎ時間・ターミナル移動・無料トランジットホテル・預け荷物のリチウム電池規制を、実際に動く順番で整理します。
✅ この記事でわかること
- 🛫ANAはT3・日本航空はT2で別々
ANAは2026年1月22日にT1からT3へ移りました。乗り継ぎ相手のカウンター位置で動き方が変わります。 - 🛂入国審査の要否は「受託手荷物」で決まる
手荷物を最終目的地まで預けているかどうかが分かれ目。預けていない人は入国前の乗り継ぎカウンターへ。 - ⏱️最低乗り継ぎ時間は2時間/3時間
同じターミナル内なら2時間、ターミナルが変わるなら3時間が日本航空の公式目安です。 - 🔋広州発はリチウム電池を預けられない
スマホ・タブレット・ノートパソコン・モバイルバッテリーは一切預け入れ不可。荷造りの順番が変わります。 - 🏨南方航空の無料トランジットホテル
広州は公式のオンライン予約に対応している乗り継ぎ地。条件と予約の締切をまとめます。 - 🚇市内へ出るならT3だけ経路が違う
T1・T2は地下鉄3号線が直結。T3は地下2階の鉄道駅か、ターミナル間の連絡バスを使います。
先にこれだけは押さえてください
① 自分の到着ターミナルと出発ターミナルを、航空券の便名から先に確認する。ANAグループ便はT3、日本航空はT2。中国南方航空のカウンターはK・Pアイランドです。
② 受託手荷物が最終目的地まで通っているかを、出発地の空港で必ず聞いておく。ここで入国審査の要否が決まります。
③ 広州から出発する便では、モバイルバッテリーもノートパソコンも預けられません。機内持ち込みに回す前提で荷造りしてください。
広州白雲国際空港は2025年10月からT1・T2・T3の3ターミナル
まず全体像です。広州白雲国際空港は2025年10月30日に第3ターミナル(T3)と第5滑走路の運用を始め、中国で初めて「滑走路5本・ターミナル3つ」を持つ空港になりました。ジェトロの報道によると、T3の完成で年間の処理能力は旅客約1億2,000万人・貨物約380万トンに拡大しています。
T3そのものの規模は、運営会社のプレスリリースで搭乗橋87基・チェックインカウンター199台・セルフ手荷物預け機59台・保安検査レーンは国内線31/国際線9と公表されています。空港の一部というより、ひとつの大空港が丸ごと増えたと考えたほうが実感に近いです。
| ターミナル | 日本人に関係する主な航空会社 | アクセス |
|---|---|---|
| T1 | 中国東方航空の国際線など。スターアライアンス広州ラウンジもこの国際線エリア | 地下鉄3号線「機場南」駅 |
| T2 | 日本航空/中国南方航空(K・Pアイランド)などスカイチーム系 | 地下鉄3号線「機場北」駅 |
| T3 | ANAグループ便(Gカウンター G40〜G46)/中国東方航空・上海航空・中国聯合航空・吉祥航空・奥凱航空の国内線 | 地下2階に東環城際鉄道「白雲空港東」駅が直結。地下鉄からは乗り換えが必要 |
ANAは2026年1月22日にT1からT3へ移りました。ネット上には「ANAはターミナル1」と書かれた古い体験談が残っています。ANA公式の空港案内(2026年2月23日更新)では到着・出発ともT3と明記されているので、こちらを基準にしてください。
入国審査を受けるかどうかは「受託手荷物」で決まる
広州の乗り継ぎで一番よく検索されているのがこの部分です。結論から言うと、手荷物を最終目的地まで預けているかどうかで流れが変わります。日本航空の公式案内(乗り継ぎページ/2025年2月10日更新)を整理すると、次のようになります。
| パターン | 入国審査 | 動き方 |
|---|---|---|
| 国際線→国際線 受託手荷物なし | 不要 | 到着後、入国審査(2階)の手前にある乗り継ぎカウンターで次の便の手続きをします |
| 国際線→国際線 受託手荷物あり | 必要 | 入国審査(2階)→荷物受け取り(1階)→出発ロビー(3階)へ移動し、乗り継ぐ航空会社のカウンターで手続きします |
| 国際線→国内線 | 必要 | 到着ロビー(1階)から出発ロビー(3階)へ移動し、案内板で指定されたカウンターへ進みます |
一方、T3に到着するANAグループ便には別の案内があります。ANA公式の空港案内では、T2発の航空会社へ乗り継ぐ場合は到着階の乗り継ぎカウンターで手続きをし、ターミナル間連絡バスでT2へ向かうと説明されています。このとき手荷物が最終目的地まで預けられていれば、引き取りは不要です。
国際線から国内線に乗り継ぐ場合は、ANA・日本航空とも「いったん荷物を引き取る」で一致しています。ANA公式では、荷物受け取り後に1階の国内線乗り継ぎカウンターへ進むよう案内されています。南方航空(CZ)・四川航空(3U)・アモイ航空(MF)・重慶航空(OQ)・河北航空(NS)・春秋航空(9C)・九元航空(AQ)は、各社のチェックインカウンターでの手続きです。
同じ空港でも、ターミナルによって案内される階が違います。日本航空は「入国審査は2階」、ANAは「乗り継ぎカウンターは到着階」という書き方です。どちらか一方が誤りということではなく、T2とT3で建物の構造が違うためです。自分の到着ターミナル側の案内に従ってください。
最低乗り継ぎ時間は同一ターミナル2時間・ターミナル移動なら3時間
日本航空が公式に示している広州白雲国際空港の最低乗り継ぎ所要時間は、同一ターミナルで2時間、ターミナルが異なる場合で3時間です。あくまで目安であり、これを下回る乗り継ぎが自動的に不可能というわけではありませんが、自分で航空券を別々に手配する場合は3時間を切らないほうが安全です。
あわせて重要なのが締切時刻です。広州空港での国内線の搭乗手続きは、出発の45分前で締め切られます。国際線から国内線に乗り継ぐ人は、入国審査・荷物受け取り・移動・再チェックインをこの45分前までに終える必要があります。
ANAで到着してT2の便に乗り継ぐときの流れ
1. T3に到着
到着階の国際線乗り継ぎカウンターで、次の便の手続きをします。
2. 手荷物の扱いを確認
最終目的地まで預けられていれば引き取り不要。通っていなければ入国して受け取ります。
3. ターミナル間連絡バスでT2へ
ANA公式では、乗り場へは係員が案内すると説明されています。分からなければその場で聞くのが確実です。
4. T2で税関・保安検査を通って搭乗口へ
ここまでで1時間前後は見ておきたいところです。3時間の目安はこの工程を前提にした数字です。
入国カードのオンライン申告やターミナル移動の確認は、スマホの通信が必要になる場面です。到着後すぐにつながるよう、中国向けのeSIMを出発前に用意しておくと乗り継ぎがスムーズです。
乗り継ぎ時間別・広州白雲空港での過ごし方
乗り継ぎ時間ごとに、現実的にできることは変わります。ターミナル移動が入るかどうかで使える時間が1時間近く変わる点に注意してください。
| 乗り継ぎ時間 | できること |
|---|---|
| 3時間未満 | 移動と手続きで終わると考えてください。ターミナルが変わるなら寄り道はしない前提で。食事は搭乗口周辺で済ませます |
| 3〜6時間 | 手続きを終えたうえで、ラウンジや食事にあてられる時間が1〜2時間。市内へ出るのは現実的ではありません |
| 6〜10時間 | 入国できる条件がそろっていれば、地下鉄で市内へ出て食事だけして戻る形。往復の移動と審査で3時間前後は消えます |
| 10時間以上・翌日便 | 中国南方航空の通し航空券なら、無料の乗り継ぎ宿泊サービスの対象になる可能性があります(次章) |
中国南方航空の無料トランジットホテルは広州が対象
広州は中国南方航空のハブなので、長時間の乗り継ぎでは無料の乗り継ぎ宿泊サービスが話題になります。同社の公式予約ページで確認できる条件は次のとおりです。
- オンライン予約に対応している乗り継ぎ地は広州・北京・ウルムチ・深圳・瀋陽の5か所
- 予約は180日前から、乗り継ぎ地に到着する24時間前まで
- これらの都市で乗り継ぐ通し航空券(聯程航空券)を持っていることが前提
- 提供されるのは1泊分の宿泊(朝食付き)と、ターミナルとホテルの間の送迎。それ以外の費用は自己負担
- 航空便どうしの乗り継ぎのみが対象。地上区間(鉄道・バスとの組み合わせ商品)を含む行程は対象外で、予約は無効になります
適用される路線・座席クラス・必要な乗り継ぎ時間の条件は、同社が期ごとに見直しています。「広州乗り継ぎなら誰でも無料で泊まれる」わけではありません。自分の予約が対象になるかどうかは、航空券の予約番号と便名を入れて公式の乗り継ぎ宿泊予約ページで判定するのが確実です。現地の乗り継ぎ宿泊カウンターで申請する方式もあります。
ラウンジは「どのターミナルから出発するか」で変わる
広州白雲国際空港には、2024年11月21日にスターアライアンスがアジアで初めて自社ブランドのラウンジを開設しました。ANAの発表によると、場所は第1ターミナルの国際線エリアで、既存ラウンジの上層階にあります。24時間営業、約750平方メートル、収容は約100名。シャワースイート、100平方メートルのVIPルーム、バーカウンター、お茶の体験コーナーなどを備えています。
利用できるのは、ファーストクラスとビジネスクラスの利用者、そして第1ターミナルからスターアライアンス加盟航空会社の便に乗るゴールドステータス会員です。
ここで注意が必要です。このラウンジはT1にあり、ANAグループ便は2026年1月からT3発着に変わりました。T3から出発する場合に同じラウンジを使えるかどうかは、ANA公式の空港案内に明確な記載がありません。ラウンジ目当てで長い乗り継ぎを組むのであれば、予約時に航空会社へ直接確認してください。
広州発は預け荷物にリチウム電池を入れられない
これは乗り継ぎ客が一番引っかかるポイントです。日本航空の空港情報(2026年8月19日更新)には、空港当局の指示として次のように書かれています。
広州白雲国際空港を出発する便では、携帯電話・タブレット端末・ノートパソコン・モバイルバッテリーなど、リチウム(イオン)電池を含む電子機器を一切預けることができません。
「モバイルバッテリーだけ」ではなく、スマートフォンやノートパソコンも含まれる点が日本の空港との大きな違いです。加えて、輸送禁止物品でなくても当局が不審・危険と判断した荷物は、開披検査が終わるまで輸送されません。乗り継ぎ時間が短いときほど致命的になります。
実務的な対策はひとつで、電池が入っているものは全部まとめて機内持ち込みのかばんに集約しておくことです。日本を出る段階でそう荷造りしておけば、広州で開け直す必要がなくなります。
なお同じ注意は大連・天津・上海・北京にも出ています。中国路線を使うなら共通の準備と考えてください。
入国カードはオンライン申告に切り替わっている
2025年11月20日から、外国人の入国カードはオンライン申告が始まりました。日本航空・ANAとも、事前のオンライン申告を勧めています。
手順は、中国の移民管理局のウェブサイト、または空港に掲示された申請用の二次元コードから申告し、完了後に発行された二次元コードをパスポートと一緒に入国審査で提示するという流れです。広州白雲国際空港の公式サイトにも、この申告ページへのリンクが置かれています。
税関は赤と緑の2種類です。申告する物品がある場合は赤色表示の課税カウンター、ない場合は緑色表示の免税カウンターへ進みます。大人に同伴される16歳未満の申告書記入は不要です。また、広州行きの機内と空港内では引き続きマスク着用が推奨されています。
日本国籍の人は、2026年12月31日24時までの措置として、観光や30日以内のトランジットなどの目的なら30日以内の滞在がビザ免除の対象です。第三国へ抜ける行程なら240時間(10日間)のトランジットビザ免除もあります。ただし入国できるかどうかの最終判断は審査官です。制度の詳細と必要な準備は下の関連記事にまとめています。
乗り継ぎ時間が長いとき、市内へ出るなら
入国が済んでいれば、広州市内へは鉄道で出られます。ターミナルごとに使う駅が違うのがこの空港の特徴です。
| 出発ターミナル | 最寄り駅 | メモ |
|---|---|---|
| T1 | 地下鉄3号線「機場南」駅 | 3号線は広州の南北を貫く路線で、市中心部へ直通します |
| T2 | 地下鉄3号線「機場北」駅 | 2018年に延伸開業した終点側の駅です |
| T3 | 東環城際鉄道「白雲空港東」駅(地下2階に直結) | 2025年10月30日開通。地下鉄3号線「機場北」駅からの乗り換えは約5分、機場北から空港東までの乗車は約8分 |
T1・T2・T3の相互移動には、無料の空港シャトルバスがあります。T3から市内へ出るときも、いったんシャトルでT2側へ移動して地下鉄3号線に乗る方法と、地下2階の白雲空港東駅から東環城際鉄道に乗る方法の2通りが選べます。
シャトルバスと鉄道の始発・終電の時刻は、空港公式サイトの交通案内ページに掲載されています。ただし2026年9月時点で、日本から同ページを開くと内容が読み込まれないことがあります。時刻に余裕がない場合は、空港の案内カウンター(24時間対応の案内電話あり)で直接確認するのが確実です。
よくある質問
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まとめ|広州の乗り継ぎは「ターミナルと手荷物」で9割決まる
広州白雲国際空港の乗り継ぎは、複雑に見えて論点は多くありません。自分がどのターミナルに着いてどのターミナルから出るのか、受託手荷物が最終目的地まで通っているのか。この2つが決まれば、入国審査の要否も必要な時間も自動的に決まります。
そのうえで、広州特有の落とし穴が預け荷物のリチウム電池規制です。日本の感覚のまま荷造りすると、出発カウンターで開け直すことになります。往路の荷造りの時点で対策しておいてください。
この記事のポイント
- 2025年10月30日にT3と第5滑走路が運用開始。T1・T2・T3の3ターミナル体制
- ANAグループ便はT3(Gカウンター G40〜G46)、日本航空はT2。ANAは2026年1月22日に移転
- 中国南方航空のカウンターはT2のK・Pアイランド。ANA到着からは連絡バスでの移動が必要
- 入国審査の要否は受託手荷物の扱いで決まる。国内線乗り継ぎは必ず入国して荷物を受け取る
- 最低乗り継ぎ時間の目安は同一ターミナル2時間・ターミナル移動3時間。国内線の搭乗手続きは出発45分前まで
- 広州発の便は、スマホもノートパソコンもモバイルバッテリーも預け入れ不可
- 外国人の入国カードは2025年11月20日からオンライン申告。二次元コードをパスポートと提示する
- 中国南方航空の無料乗り継ぎ宿泊は広州が対象。通し航空券が前提で、到着24時間前まで予約可
- 市内へ出るならT1は機場南駅、T2は機場北駅、T3は地下2階の白雲空港東駅
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